熊谷市の地元密着ならではの賃貸・売買・投資など不動産情報・サービス
家族信託という選択。~思わぬ相続のシステムにまったをかける~
パート1の最初に紹介した例だと、お父さんは家族信託のしくみを利用してどのようにしたら、 持続的に資産管理ができ、トラブルなく家族が安心して暮らせるのでしょうか。
お父さん(委託者)は受託者を息子さんに依頼し、信託契約を結びます。
生前はお父さんが受益者となることで資産管理ができました。
お父さんが亡くなった後は、お母さんが受益者となるように設定することによって、お母さんの生活保障は
息子さんから支給されます。例題であったように、息子さんが途中で亡くなってしまいましたが、こういった
ケースもあることをお父さんは生前考慮する必要があります。万一息子さんに何かあった場合の為に、受託者をお嫁さんになってもらうことを信託契約で決めれば、お嫁さんが息子さんに代わって、資産管理を引き継ぎお母さんの生活を保障することが可能になります。
① 成年後見、遺言でないとできないことがある。
② 受託者は信託目的に従って管理処分する義務が生じる為、その負担を重く感じられる方もいる。事務処理上の負担も生じる。
③ 受益者は財産を自由に使用、処分等ができないにもかかわらず、財産を取得したものとして課税 されるため、税負担を重く感じる場合もある。
④ 遺留分減殺請求は遮断できない。など。
「家族信託」は、信託銀行や信託会社に資産を預けるのではなく、「家族」が財産を管理すると いう実は簡単な仕組みです。遺言ではできなかった2次相続以降の資産承継先まで指定できる自由度の高い方法です。受託者がいることによって、本人の”想い”と家族の”想い”を家族間の話合いを通じて安心できる 老後の財産管理と円満円滑な資産承継を目指すことが可能になります。
<関連記事>
※画像を拡大してご覧になるには、画像の上を右クリックし、”画像だけを表示”を選択してください。
平成27年12月22日読売新聞
更新日時 : 2015年11月15日 | この記事へのリンク :
もしも、あなたがこんなケースに遭遇したらどうしますか?
高齢のお父さんがある日亡くなり、お母さんだけが一人家に残りました。
本来であれば法定相続分にのっとり、お母さんが遺産を1/2相続し、子供が1/2相続するかたちとなり
ます。しかしお母さんも高齢の為、万一お母さんが亡くなった際に再度相続税が発生するのであればと
いうことで、お母さんと息子さんは相談して息子さんがお父さんの遺産を全て相続することに決めました。
すると、まもなくして相続人である息子さんも亡くなってしまいました。今までの相続コラムでも学んできましたが、この場合は息子さんが全てを相続したので、お父さんから
相続した遺産を含めた息子さんの遺産は全て奥さんに1/2、そして子供に1/2相続されます。
そのため、高齢のお母さんには何も残らない状態になってしまいました。以前より息子さんのお嫁さん
とは関係が良くなかったので、息子さんが亡くなってからは疎遠となってしまい、悲しいことに長年住み
続けていた家も所有権が無い為に出ていかなければならなくなりました。
亡くなったお父さん、息子さんの想いや希望はこのような結末で良かったのでしょうか。
家族信託という選択。~思わぬ相続のシステムにまったをかける~
家族信託をみなさんご存知ですか? もしも自分の財産を相続のシステムに惑わされず、
自分が死んだ後も自分が望むように愛する人の為に使えたり、管理できたらいいと思いませんか?
家族信託はそれを実現可能にするシステムです。みなさんちょっと学んでみませんか?
信託とは、委託者が信託行為(例えば、信託契約、遺言)によってその信頼できる人(受託者)に対して、金銭や土地などの財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って、受益者の為にその財産の(信託財産)の管理・処分などをする制度です。 (引用元:一般社団法人 信託協会ホームページ) |
更新日時 : 2015年11月14日 | この記事へのリンク :
実はこういったケースがあります。
--哀しみの中、推定相続人間で遺産分割の取決めをして話がまとまった。遺産分割協議書も自分達で作成した。さあ、不動産の登記名義を変えよう。と、司法書士の先生へ連絡すると「これでは相続登記が出来ません。」と返事が返ってきた。--
「えっ!」
相続登記・遺産分割ができない!!!
納税期日も近づいてきているのに・・・。 相続税が払えない。(物納もできない)
いったい何の問題あったのでしょうか。
Q.相続開始後、まず何を先にしなければいけないのか? |
-A.相続人の確定
相続人の確定において、以下のように法律及び戸籍の問題点のクリアが必要です。
1. 法律の問題として-------
<例えば>
・ 行方不明の相続人の場合 → 不在者財産管理人 (又は失踪宣言)申請を
家庭裁判所にて手続きしなければならない。
・ 認知症の相続人の場合 → 後見人選任が必要。※時間がかかるので注意
・ 未成年の相続人の場合 → 親も相続人だと、利益相反となる場合は、特別
代理人の選任を家庭裁判所にて手続きが必要。
+
2. 戸籍の問題として-------
<例えば>
・ 実子が他人の養子になっていたことが判明
・ 他人が被相続人の養子になっていたことが判明
・ 被相続人が生前に認知をしていた子の存在が判明
・ 被相続人が前妻との間に子がいたことが判明
いずれの場合も、 事前に戸籍を調査すれば解決出来た可能性大
相続人が確定するまで |
被相続人の出生戸籍まで遡って資料を確認する必要があります。
一般的な方は、役所へ申請して戸籍の書類を集めて終わるかもしれません。
下記に順番に注意点(事例)がありますので、気を付けながら確認するとよいと思います。
check①
子又は兄弟姉妹相続で、被相続人死亡以前に亡くなられていないか?
→そんな場合は、代襲相続となります。
check②
戸籍を遡り確認して出した推定相続人は、放棄・欠格・廃除などケースがないか?→もしあると、相続人にはなれません。
・上記の確認事項で残った方が基本的には相続人となります。
※もちろん、この他にも国籍の確認など行わなくてはいけないことがあります。が、このように相続人が確定し相続関係図が作成されます。
繰り返しにはなりますが、事前に準備し把握すると、ある程度のトラブルを回避出来ます。
その為にも、被相続人の最終意思の尊重である「遺言」の活用をおススメします。
その際は、相続における知識があり、相談のしやすさ・相性・人間性などもあるとおもいますが、必ず相談できるしかるべきところへ行きましょう。
もちろん当社でもお手伝いさせて頂いております。
このコラムが何かのお役に立てれば幸いです。
更新日時 : 2014年12月19日 | この記事へのリンク :
気持ちや考えを形にする方法の1つとして遺言があります。
遺言とは・・・ 指定(遺言)相続は、民法で定められた法定相続に優先します。
ただし、相続人全員が合意したならば遺言に従わず協議による分割も可能です。
普通方式には以下のようなものがあります。他にも特別方式があります。
自筆証書遺言 |
1. 遺言のすべてを自分で書く
2. 遺言を作成した年月日を書く
3. 署名する
4. 押印する (実印が望ましい)
以上の要件が満たされていれば、自筆証書遺言として有効となります。 逆にこの中で1つでも外れていると無効になってしまいます。ですので、無効になってしまうことも多いです。
《 メリット 》 費用も掛からず、いつでも自ら書けるという事です。
《 デメリット 》 方式不備で無効のリスクがあります。
また、自筆証書遺言は、遺言書を発見したものが、家庭裁判所へ持参し相続人全員に呼出状を発送した上、その遺言書を検認手続を経なければなりません。
ですので、発見者も正しい知識とモラルが必要となります。 また、当然のことながら病気等で手が不自由な方は利用が難しいです。
公正証書遺言 |
公正証書遺言は、遺言者が公証人に面前で遺言内容を口授し、それに基づいて公証人が真意を文章にまとめ作成する方法です。
事情により、遺言者が署名できない場合は公証人がその事由を付記し署名に代えることができます。
《 メリット 》
1. 遺言者が内容に思い悩んでも、公証人のサポートにより法律的に見てきちんと整理した内容の遺言となります。
2. 方式の不備で遺言の無効になることもありません。 家庭裁判所で検認の手続きを経る必要がなく、原本は公証人役場に保管されるので破棄や改ざんの心配もありません。
3. 自筆できない方でも公証人にて作成が可能です。
《 デメリット 》
1. 多少の費用がかかります。(※数万円のケースが多いですが、目的財産額により変動します。)
2. 証人2人の立会いが必要です。
※適当な証人が見当たらない場合は、公証人役場で紹介してもらえます。
秘密証書遺言 |
第三者の代筆やワープロでも構いませんが、署名押印は自分で行ないます。
証書を遺言者が自分で入れ、証書と同じ印で封印します。
承認2人以上の前で遺言者が自分である旨を述べ、第三者がいたときはその筆者の住所・氏名を述べ、公証人が証書の提出日と遺言者の申し述べを封書に記載、遺言者・公証人・証人が封書に署名・押印をします。家庭裁判所の検認が必要です。
いつ遺言書をつくるのか? |
遺言は満15歳以上になればいつでもできます。
余命を宣告されてから? 死期が近づいてから? それは全くの誤解です。
むしろ、健康な状態にある時ほど本音で話ができることもあります。
いつ何があっても、残された家族が困らないよう、もめない様にしてあげることが遺言書を作成する目的の1つです。 ちなみに、遺言書の訂正や取消(撤回)は何回でもできます。
【~付言を記す~】
遺言作成の際は、是非付言も記してください。
付言は、被相続人の気持ちや考え、遺言書の内容にした理由などを相続人の方々へ伝えてもらうものです。 これにより、大切な親族間の紛争をなくしたり、遺留分減殺請求などなく円満な相続が出来れば何よりです。
付言の記載方法は特に決まりがありませんので、本文の前でも後でも記すことができます。
更新日時 : 2014年11月04日 | この記事へのリンク :
今回はまずはじめに、共有についてです。
では、こんな時は遺産分割をするにはどうすればいいのでしょうか。 あまり多くないケースのご紹介です。
相続人が行方不明 |
失踪宣言
(1) 普通失踪 (不在者が7年以上音信不通で生死不明の時)
こういった場合は、
(2) 特別失踪 (船の沈没、飛行機の墜落等は1年以上)
家庭裁判所へ「失踪宣言の審判申立書」を提出し申立をする。・・・(1)の場合は6ヶ月、(2)の場合は2ヶ月で確定↓
市町村へ「失踪届」
・その他不在者財産管理人などの制度がある。
相続人不存在 |
◎ 利害関係人が相続財産管理人を選任する。
債権者 ⇒ 特別縁故者 ⇒ 最後は国庫に帰属
ただし、
遺言があれば、財産をお世話になった特定の方、団体などへ遺すことができます。 ですが、実際には遺言内容を執行する人が必要ですので、ご注意ください。
ご自身の気持ちやお考えを形にするのに、公証人役場を利用するなど色々な方法があります。
もしどこから初めて良いかわからないといった場合は、ご自身のお気持ちや希望を形にしたいご要望があれば、当社の相続アドバイザーにてお手伝いし、どちらの先生や金融機関・手段方法を選んだ方が良いか相談できます。 まずは、お気軽にご相談ください。
遺産分割 |
分割の方法
・ 遺言による「指定分割」
・ 相続人全員の話し合いによる「協議分割」
・ 家庭裁判所に申し立てる 「調停(全員一致)・審判(調停不成立)による分割」。
遺産の分配方法
・ 現物分割・・・土地、預金等の現物を分ける。
・ 換価分割・・・現物分割が不可能な場合、お金に換金して分ける。
・ 代償分割・・・遺産を多く承継する相続人が他の相続人に金銭(代償金)や他の財産(代償物)を支払う。
◎ 遺産分割協議書に明記がない金銭の授受は贈与税課税の対象となるので注意です。
遺産分割の留意点
◎ 遺産分割に先立ちもっとも重要なことは、相続人を確定することである。
(司法書士等の専門家に依頼するのが望ましい)
・相続人を見落としてしまったら遺産分割無効の訴えを起こされる可能性もある。◎ 生前の相続対策でも推定相続人の確認は大切である。※相続の遺産分割に多数決はありません。相続人誰か一人をぬかした遺産分割や、一人でも合意しない相続人がいたら成立しません。
更新日時 : 2014年10月29日 | この記事へのリンク :
相続人が相続する財産 |
大きく分けると下記の2つに分類することができます。
プラスの財産
預金 ・ 有価証券 ・ 不動産 ・ 美術品等の動産 ・ 遺留分減殺請求権 など
マイナスの財産
借金 ・ 債務 ・ 連帯保証人の地位など
相続の仕方 |
相続すると言っても実は、いくつか相続の仕方があります。
相続する際の状況は、100人いれば100通り。その状況に合う望ましい相続をするために覚えておいてください!
1、単純承認
プラスやマイナス全ての財産を承継する。 ⇒手続き不要 です。
2、限定承認
相続で得た財産より借金が上回るなら、相続で得た財産の限度で借金を払い、後は払わなくてよい、
プラスの遺産が残ったら相続できる。
重要★(1) 相続を知ってから 3ヶ月以内 に家庭裁判所に申述する。
★★★(2) 相続人全員の意思の一致が必要。
★★★(3) 財産を使ったり隠したりしたら不可。
3、相続破棄 ポイント!
最初から相続とはならない。当然にプラスもマイナスもすべての財産を承継しない。
★★★(1) 相続人であることを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する。
★★★(2) 相続人が単独で出来る。
★★★(3) 期間伸長の手続きをしておけば3ヶ月を超えても放棄は可能。
★★★(4) 財産を使ったり隠したら、もちろんダメです → 法定単純承認となってしまう。
★★★(5) 放棄した相続人の子は代襲相続人とはなりません。
★★★(6) (遺留分の放棄は生前にできるが、)相続放棄は生前にできません。
《覚えておいて損はない3つのこと》
1. 親の財産には手をつけるな! 2. 一度受理されたら取り消しできない。
3. 相続放棄は相続順位が変わり、親もしくは兄弟姉妹が相続人になる。
《債務の相続》
今度は、債務の相続です。避けられるなら避けたいですよね。
でも自分の身に起こることがあるかもしれません。その際のリスクも理解しておきましょう!
借金や保証債務等の負の財産は遺産分割できない
(1) 法定相続分で相続されます。 ※注意です。
(2) 法定相続分以外の分割は相続人の間では有効だが、債券者の承諾がない限り債権者に対抗(主張)できない。
保証債務
(1) 連帯保証人の地位は法定相続分で相続する。 → 被相続人が3000万の保証をしていた。 相続人は子ども3人 → 1人1000万の保証債務を相続する。
こんな点に注意★
(2) 隠れた保証債務の怖さ・・・被相続人が生前に教えてくれない。 忘れてしまう。 主たる債務者(お金を借りた人)が破綻して初めて表に出てくる。保証債務は単純承認後に発生する可能があるから怖い。相続前に保証債務が確定した。 → 相続税申告で債務として控除される。相続後に保証債務が確定した。 → 相続税申告で債務として控除されない。
※相続破棄と遺産分割協議での相続分の放棄との大きな相違点 ポイント!
相続放棄 → 家庭裁判所にて放棄手続き
最初から相続人ではなくなる。
相続分の放棄 → 0の財産を相続したことになる。
相続人の地位は残る(借金や保証債務は法定相続分で相続する)
※例えば、安易に「私は相続分いらないから、相続する人が債務も引き受けてね。」 と相続人の間で約束しても、債権者の承諾がないときはあなたにも請求がきますよ!
かと言って、相続人は身内です。そんなことで仲が良かった関係を崩さない様に、よく話し合うことが必要です。相続で関係を壊すために被相続人も財産を残す訳ではありません。
それが難しいときは、早めに信頼できる専門家へ相談・依頼してみましょう。
このコラムが円満な相続の一役を担えれば幸いです。
更新日時 : 2014年10月07日 | この記事へのリンク :
PART2では、PART1で述べた3つのパターンより、イレギュラーなケースについてお話します。
相続人でも相続できないケースとは |
こんな場合は相続人であっても相続することはできません。
● 遺言を破棄したり、隠匿してしまったり、相続人の犯罪で相続が発生したら、その者は相続できません。[相続欠格]
● 被相続人に対し、生前に虐待、重大な侮辱、著しい非行があり、裁判所が申し立てに対し排除を認めたら相続人から外される。[相続廃除] ※裁判所の許可を得るのは現実には難しい。
相続人が相続しない・できない場合の代わりは ~代襲相続~ |
【 代襲相続とは 】
親(被相続人)より先に子(相続人)が亡くなると孫が子の地位(相続人)を承継する。
(1)相続廃除や相続欠格も代襲原因となる。
(2)第3順位の兄弟姉妹の子は、代襲相続は甥・姪まで。(注)昭和55年の改正
(3)相続廃棄した相続人の子は代襲相続できない。
(4)代襲相続人が未成年の場合は、遺産分割協議は家庭裁判所で選定された特別代理人が変わって参加する。
養子縁組と税法上の効果 |
養子とは、養子縁組届が受け付けられた日から、養親の嫡出子となります。
普通養子は実親と養親の双方から相続を受けることができます。
養子縁組の税法上以下のような効果が適用されます。
(1)相続税基礎控除が1000万円増える。(※改正後は600万円 平成27年1月1日施行)
(注)実子がいる場合は1人、いない場合は2人まで。
(2)相続税計算上の税率が下がる。
(3)生命保険金や死亡退職金の非課税限度額が増える。
--【ポイント】----------------------------------------------------------
● 再婚した配偶者の「連れ子」は新たな父(母)に対し相続権はないが、養子縁組したことで実施とみなされ相続できる。税法上も実子としてカウントできる。
● 養子縁組前の養子の子は代襲相続できない。
● 養子縁組後にできた養子の子は代襲相続できる。
イレギュラーといっても、千人いれば千通りあるように、どのケースでもイレギュラーかと思います。
ただ、こういったことがあるという事を念頭に置いていただければ、いざとなった時に少しでも知識として活用いただければ幸いです。 今回はこの辺で。
更新日時 : 2014年09月24日 | この記事へのリンク :
今週のコラムは、誰が相続人となるのかについてお話したいと思います。
どのような関係の人、どのような場合、どのような順番で相続人になるのでしょうか。
相続アドバイザーの教科書によると、
「相続が開始した瞬間 に何の手続きも経ることなく被相続人の財産は法定相続分で遺産分割未了共有となり相続人に移ってしまいます。」
と書かれています。 法定相続分って何? 遺産分割未了共有って何? 難しい言葉が並びますね。。
まずは相続のパターンについて大まかに見ていきましょう。
被相続人と相続人については以下のようにパターンがあります。
1. 配偶者と子供がなる場合 |
被相続人に、配偶者・子供がいる場合は、法定相続分として1/2が配偶者へ、1/2が子供へ被相続人の遺産が相続されます。 子供が二人の場合は、1/2 を二人で分けて1/4がそれぞれ相続することとなります。
出てきました”法定相続分”という言葉。 ここでわかるように民法で定められた相続の取り分のことですね。
続いてパターン2と3を見ていきましょう。
2. 配偶者と父母または祖父母等の直系尊属がなる場合 |
被相続人と配偶者の間に子供や養子がいない場合、被相続人の父母又は祖父母が健在であれば、法定相続分として2/3が配偶者へ、1/3が被相続人の両親へ相続されます。
このとき、直系尊属ではない兄弟姉妹は相続人にはなりません。
3. 兄弟姉妹がなる場合 |
被相続人に子供がいない・父母・祖父母等の直系尊属もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹にも相続できます。
兄弟姉妹の相続分は法律では1/4ですが、ここで気をつけなければいけないのが、配偶相続人と合意すればどのような分け方をしても有効になることです。
問題が起きやすいパターンでもあるので、遺言作成の検討などが必要です。 検認のない公正証書などの準備が望ましいでしょう。
全員が合意して初めて法定相続分となる。 |
すべてのパターンにおいて言えますが、全員が合意して初めて法定相続分となります。
もし合意できなければ、
家裁での調停⇒ 不成立 ⇒ 審判となる ⇒ 判決は法律どおり法定相続分 となります。
他にも、養子縁組や相続放棄などといったケースにより、相続順位が生前でも相続開始後でも変わることに注意が必要です。
(余談) 相続は亡くなった順番と血の濃い順番で決まる。 ◆ 最初に親が亡くなり、続けて子が亡くなった場合(民法:数次相続)(税法:相次相続)
◆ 最初に子が亡くなり、続けて親が亡くなった場合
|
いかがですか? 少し複雑になってきましたね。 また代襲相続という新しい言葉も出てきました。
次のPART2ではその代襲相続について、また相続人でも相続できないケースや養子縁組について触れたいと思います。
更新日時 : 2014年09月23日 | この記事へのリンク :
離婚・再婚が増えています。その時は相続のことを想定することはありません。しかし、相続に至ったとき、複雑な家族関係で悩むケースがよくあります。
先妻の子がいる場合
Q1 「離婚した先妻との間に娘が1人いま
す。養育費も払い結婚費用も出し、親としてそれなりのことはやってきました。私は再婚し、今の妻との間に子供が1人います。今の妻の協力もあり、再婚後に
自宅とアパートを持つようになりました。相続対策として何かしておくことはありますか?先妻の妻と娘とは、10年以上疎遠になっています。」 |
何もしないとどうなるかです。法定相続人は、妻と子Aと子B。 法廷相続分は、妻2分の1、子A・B各4分の1。 ポイントは再婚後に今の財産を形成したことにあります。子Aには気の毒ですが、 私としては子Bに手厚く財産を渡したいのが本音でしょう。 生前に法定相続分を変えることができるのは「私」だけです。 |
方法は、「遺言」です(但し、婚姻期間が20年を超えていれば、配偶者である妻に
最高2,110万円までは無税で贈与はできます。そうすると私の相続財産は減らせること
になります)。
しかし、「自筆証書遺言」では不都合が考えられます。自筆証書遺言は家庭裁判所での
「検認」手続きが必要になるからです。相続人全員に家庭裁判所から呼び出しの連絡が
来ます。当然Aにも連絡が行き家裁で遺言書を開封します。Aに不利な遺言内容だった
場合、その心境はいかばかりか?寝ている子を起こすようで、余計な波風を立てることに
もなります。
だから、「公正証書遺言」が好ましいのです。
公正証書遺言にすれば、家裁での検認は不要です。遺言執行人を指定(例えば、妻に)
しておけば、遺言執行人が単独で(Aと関係なく)不動産の相続登記手続きや銀行預金の
払い出しを行うことができます。但し、子Bには遺留分がありますので、遺留分程度の財産
を相続させる配慮が必要かもしれません。
このケースで最悪なのは、現在の妻にも子Bにも前棔の子Aの存在が知られていない場合
です。私としては、過去の出来事を隠さず相続に備えることが重要です。尚、遺留分減殺請
求権は、遺留分の侵害を知った時から1年または相続開始から10年で時効になります。
更新日時 : 2014年09月10日 | この記事へのリンク :
相続は以前、長子(長男又は長女)が単独で相続する法律だったとみなさんご存じでしたか?
これは明治31年~昭和22年5月2日まで導入されていた旧民法の『家督相続』と呼ばれるものでした。「家督相続」って言葉一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
昭和23年1月1日以後、旧民法が新民法に変わり、『均分相続』という相続方法が適用されることとなりました。
均分相続とは? |
●複数の相続人(子)は平等(均分)に相続ができることとなった。
●近年は相続人の層が変わり権利意識がさらに強くなった。◎平等と公平の概念
●民法で相続人になれる人と相続分が決められている。
その昔、”長男が家を継ぐ” という考えは、「家督相続」を見ても自然だったかもしれません。
現代は相続のあり方も、「均分相続」になった分、長男後継ぎの考えはだいぶ少なくなりました。
さて、均分相続について重要になってくるのが、”誰が相続人になれるのか” ということだと思います。
今回は相続に関して必ず通らなければならない親族関係についての用語についてお話したいと思います。
親族関係 |
下の図のように、直系尊属で祖父母と孫は2親等となります。 例えば、配偶者は自分から見て1親等となります。
| 親等 | ・・・ | 血族の関係において、自分からの遠近度を測る単位。 基本⇒親と子の関係は一親等
|
血族 | ・・・ | 血のつながりのある親族。 | |
姻族 | ・・・ | 結婚による親族(配偶者の血族)。
| |
直系 | ・・・ | 人と人との間の血統が親子の関係でつながる系統。 | |
傍系 | ・・・ | 血統が共同の祖先から別れてつながる系統。
| |
尊属 | ・・・ | 自分より目上の親族。 | |
卑属 | ・・・ | 自分より目下の親族。 |
いくつか聞いたことがある用語もあるのではないでしょうか。また新しい用語も出てきましたか?
この用語が今後のコラムで頻繁に出てくると思います。これらの単語を覚えてもらい、いざご自身に相続問題が発生した際に皆さんの役に立てれば幸いです。
更新日時 : 2014年08月27日 | この記事へのリンク :